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文化財空間への配慮と工夫

県指定文化財の施設における空調設備工事では、申請段階から通常工事とは異なる慎重さが求められ、関係機関との協議や図面修正を何度も重ねる“ドタバタ申請”となりました。現状変更の可否や機器配置、配管ルートに至るまで、文化財としての価値を損なわないことが最優先条件となり、計画の見直しが続きました。
工事段階でも、外観への影響を極力抑えるための工夫が随所に求められました。特にエピソードとして印象的だったのは、吹出しパネルや吊り金具など、目に触れる可能性のある部材について、存在感を抑えるため艶消しの黒で塗装を施した点です。白やシルバーではどうしても浮いてしまうため、背景に溶け込ませることで視認性を下げ、文化財空間に馴染ませる工夫を行いました。

また、配管ルートについても既存躯体を極力避け、露出部分は最小限とするなど、施工性と意匠性の両立に頭を悩ませる場面が続きました。最終的には、関係者の協力のもと、文化財としての景観を損なうことなく空調環境の改善を実現でき、非常に学びの多い現場となりました。

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